ドライバーに早く気づいてもらい、安全に停止してもらうためのポイント
交通誘導の現場で「車がなかなか減速してくれない」「止まる気配がない」という状況は、非常に緊張する場面です。車を安全に、かつ確実に止めるためには、「ドライバーに早い段階で気づかせること」と「自身の安全スペースを確保すること」が鉄則です。
以下のステップとポイントを意識して誘導を行ってください。

1. 突然止めない!「停止予告」で段階を踏む
走っている車は急には止まれません。
突然「止まれ」の合図を出しても、ドライバーがパニックを起こしたり、気づかずに突っ込んできたりする原因になります。

ステップ①:存在を知らせる(停止予告)
誘導灯や手旗(赤)を頭上に高く掲げ、大きく左右に振ります。
手首だけで振るのではなく、肘や肩を使って大きく動かすことで、遠くのドライバーに「この先で何かある」「人がいる」と認識させ、自然な減速を促します。
ステップ②:明確な「停止」の合図
車が減速したのを確認したら、誘導灯や手旗を地面と水平(肩の高さ)にピタッと止めます。
動から静へのメリハリをつけることで、ドライバーに「止まりなさい」という明確な意思が伝わります。
2. 「距離」と「立ち位置」で安全を担保する
「止まってくれない」と感じる原因の多くは、合図を出すタイミングが遅いか、距離が近すぎることです。
十分な距離(制動距離)をとる
車が余裕をもって止まれるだけの距離(数十メートル手前)から合図を送り始めます。
特に雨の日や夜間は視界が悪くブレーキが効きにくいため、普段の1.5〜2倍は手前から合図を出してください。
車両の正面に飛び出さない
車を止めようとして、道路の真ん中や進行方向に身を乗り出すのは絶対に厳禁です。
必ず道路の端や、安全な資機材(コーンなど)の内側に立ち、ドライバーから見えやすく、かつ万が一のときに自分が逃げられる位置をキープします。
3. ドライバーの「目線」と「意識」をキャッチする
車が止まらない理由の大半は、ドライバーの「脇見(スマホなど)」や「前方の不注意」です。
アイコンタクトを狙う
ドライバーがこちらを見ているか確認します。
目が合えば、こちらの指示に従ってくれる確率が跳ね上がります。
警笛(ホイッスル)を併用する
視線がそれている、あるいは減速する気配がない場合は、間髪入れずに「ピーッ!」と鋭く警笛を鳴らします。
視覚(誘導灯)だけでなく聴覚(警笛)を刺激することで、ハッと我に返らせることができます。
4. 完全に止まるまで「注視」を怠らない
「減速したから大丈夫だろう」と目を離した瞬間に、車が再加速してくることがあります。
車両が完全にゼロキロ(完全停止)になるまで、絶対に目を離さず注視し続けてください。
車が止まったら、ドライバーに軽くお辞儀をして協力への感謝を示すと、その後のトラブル(イライラによる急発進など)を防ぎやすくなります。
⚠️【最重要】どうしても止まらない場合の最終ルール
どれだけ正しい合図を出しても、悪質なドライバーや居眠り運転など、「絶対に止まらない車」は存在します。
「おかしい、止まりそうにない!」と直感的に感じたら、車を止めることは即座に諦め、自分の身を守るために全力で退避してください。 誘導員の最大の任務は現場の安全を守ることであり、自らが犠牲になることではありません。
退避した後は、車のナンバー、車種、色などを可能な限り記憶(またはドラレコやスマホ等で確認)し、すぐに警察や現場責任者に報告してください。
常に「車は止まらないかもしれない」という防衛意識を持って、安全第一で誘導にあたってください。

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